欧州共同体の専門機関は、欧州公法の適用を受ける機関であり、欧州連合(EU)の機構(EU理事会、欧州議会、欧州委員会等)とは区別され、独自の法人格を有します。これらの機関は、関連共同体法が規定する、かなり特定の技術的・科学的・管理的な任務を果たすために、2次法(派生法)による立法手続きによって設立されます。
分権化された共同体機関の設立は最近始まったことではありません。実際、最初の機関(欧州職業訓練開発センター、欧州生活労働条件改善財団)は1970年代に設立されています。しかし、1990年代の域内市場の完成に伴う社会・文化的変遷の中、新しい専門機関が相次いで設立され、その結果、今日の欧州共同体の専門機関のあり方は新たな局面を迎えました。これらのいわゆる「第2世代」の専門機関は、期待されていた地方への権限委譲を実現し、技術や科学に関わる新たな課題への対応を図ることを目的としており、その大半は、EU加盟国首脳が1993年10月29日に7つの専門機関の本部を定める決定を行ったのを受け、1994年または1995年に活動を開始しています。7つの専門機関の中には、決定の数年前にすでに基本規則がEU理事会で採択されていたものもありました。
2003年12月に加盟国首脳は再び、いくつかの専門機関の本部を定める決定を行いました。その中には、すでにブリュッセルに暫定的な本部を設置し、活動を開始しているものありました。これらの機関を「第3世代」の専門機関と呼ぶことができます。
各専門機関の目的は多種多様です。これらの機関はそれぞれ独特のものであり、設立時に定められた独自の役割を担っています。この役割が将来的に変更される可能性もありますが、いずれにしても、専門機関の活動全般を裏付ける一般的目標も次の通り、いくつかあります。すなわち、
- 欧州共同体の活動に、一定の分権化および機能の分散化をもたらし、
- 専門機関に関連づけることにより、それぞれの機関に割り当てられている任務をより明確かつ重要なものとして位置づけ、
- 専門機関によっては、明確に定義された分野における科学的、技術的知識の開発の必要性に対応し、また、
- その他の専門機関は、複数の利益集団を統合することで欧州レベル( 例えば、社会的パートナー間で)または国際レベルでの対話を推進する、
といったものです。
現在、欧州共同体には以下のような専門機関があります。