欧州委員会

© 石戸晋

ニース条約に基づき、欧州委員会は1加盟国より1人ずつ任命される計27人の委員で構成されています。委員会の任期は5年で、これは欧州議会議員の任期と同じです。加盟国は欧州委員会の委員長を任命する前に欧州議会に諮問することになっており、また、欧州委員会は総体として正式の任命の前に欧州議会の承認を得なくてはなりません。

欧州委員会の委員は任務を遂行するにあたって、出身国政府の意向にいささかも左右されてはならず、EUの利益のためだけに行動することを義務づけられています。欧州委員会を譴責する権限をもつのは欧州議会のみです。欧州委員会の委員はそれぞれ1つ以上の政策領域に関して責任分野をもっていますが、決定に関しては連帯責任を負うことになります。

欧州委員会の任務は何よりもまず基本条約の守護者であることです。条約の規定、基本条約に基づく決定がしかるべく適用されるように図る公平な機関なのです。欧州委員会はいずれの加盟国をも条約違反で提訴することができますし、必要とあらば、欧州裁判所に判断を仰ぐこともあります。また、EUの競争ルール違反などのかどで個人や法人に罰金を科すこともできます。

欧州委員会はEUの潤滑剤の役割も果たしています。EUの機構において唯一法案を提出する権限をもち、新しい「EU法」採択にいたるあらゆる段階でその影響力を行使するのです。政府間協力の領域では、欧州委員会は個々の加盟国と同じように提案を行うことができます。

最後に、欧州委員会はEUの行政執行機関です。すなわち、条約の特定の条項を施行するための規則を発令し、EUの活動に割り当てられた予算の歳出を管理するということです。予算の大部分はEUの主要な基金、つまり、欧州農業指導保証基金、欧州社会基金、欧州地域開発基金、そして、結束基金に配分されています。多くの場合、欧州委員会は行政機関としての任務を遂行するにあたって、加盟国当局者で構成される委員会の意見を求めなくてはなりません。

欧州委員会には、主として(本部のある)ブリュッセルと(それよりは少ないですが)ルクセンブルグに勤務する行政スタッフがいます。総数およそ2万人のスタッフは、さまざまな部局に配置されています。欧州委員会をはじめとする諸機関の運営経費は、EUの総予算のせいぜい5%にすぎません

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