欧州連合理事会(閣僚理事会)
欧州連合理事会(以下理事会)は各加盟国を代表する閣僚によって構成されています。理事会の会議には議題に応じて異なる閣僚が出席します。たとえば、農産物価格の議論なら農相、雇用問題について話し合うなら労働、社会問題担当の閣僚、そして、全般的な政策、対外関係、EUの主要な問題を担当するのは外相といった具合です。
理事会の本部はブリュッセルに置かれていますが、特定の会議はルクセンブルグで開かれます。各加盟国は6カ月ごとに交代で理事会の議長国を務めます。
理事会の議事の準備をするのが常駐代表委員会(COREPER−加盟国のEU大使によって構成)で、理事会の指示に沿って主に委員会や作業部会を設けて、具体的な準備にあたったり特定の事柄について調査を進めたりしています。
欧州連合条約の下でEUの活動は3つの領域(共同体の活動、共通外交・安全保障政策、刑事問題に関する司法協力)に分けられています。共同体という文脈では、理事会は欧州連合条約によって規定された目的が達成されるように図るという任務を負っています。加盟国の一般経済政策の調整を図り、また、欧州委員会の提案に基づき、欧州議会によるさまざまなレベルの関与を規定した手続きに沿って共通政策に関する主要な決定を採択しているのです。政府間協力に基づく他の2つの領域では、理事会は支配的な役割を果たしています。共通外交・安全保障政策においては、共通の立場を規定し、共同行動を採択します。さらに、理事会の議長国はEUを代表してそうした措置を実施する責任を負っています。警察・司法協力の場合には、主に共同行動を通じて、また、協定を起草し加盟国に採択を勧告するという形でその役割を果たしています。
共同体の活動に関しては、単一欧州議定書、さらには欧州連合条約によって加重特定多数決制による採決の対象が拡大されました。しかし、徴税のように一部の事柄では依然として全会一致が要求されています。特定多数決によって表決が行われる際には、345票中255票が必要となり、ドイツ、フランス、イタリア、英国がそれぞれ29票、スペイン、ポーランドが27票、ルーマニア14、オランダ13、ベルギー、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、ポルトガルがそれぞれ12票、オーストリア、スウェーデン、ブルガリアが10票ずつ、デンマーク、アイルランド、リトアニア、スロヴァキア、フィンランドがそれぞれ7 票、キプロス、エストニア、ラトヴィア、ルクセンブルグ、スロヴェニアが4票、そしてマルタが3票を投じます。また、この方式では、特定多数決の成立に加盟国数にかかわらず、賛成国の人口がEU全人口の少なくとも62%を代表していることが必要となります。しかし、理事会が欧州委員会の提案とは異なる決定をしようという場合や欧州委員会の同意している議会の修正案を退けようという場合には、依然として全会一致が条件となります。
共通外交・安全保障政策や司法・内務協力に関する理事会の表決は、欧州連合条約に例外規定のある場合を除き、全会一致が原則となっています。