EU News 176/2011
2011/05/28
欧州理事会議長
ブリュッセル
PCE0135/11
<日本語仮訳>
先ほど、バル・デュシェス城という美しい環境の中で、非常に建設的かつ有意義な首脳協議――連帯と絆の「KIZUNAサミット」――を終えたばかりである。
本年の首脳協議について、我々は3つの主要目的を掲げていた。
第1に、3月11日の震災の被害を受けた日本の政府と国民との連帯を再確認すること。
第2に、3月の大震災を受け、原子力安全、災害援助、人道援助の分野において、欧州連合(EU)の支援および二者間協力を確認し、発展させること。
そして、第3に、日本とEUの政治・経済関係の緊密化のための努力を通じて、両者の関係を再活性化するという昨年の目標をさらに推し進めること。
本日、この3つの目標すべてが達成されたことをうれしく思う。
昨年東京では、政治、経済の両面を含む日・EU関係のあらゆる側面を見直すことを決めた。ここ数カ月で、担当のハイレベルグループは大きな進展を遂げた。これに基づき、私たちは次のことを達成した。
私たちは、両者間の通商関係における重要な前進を図った。「予備交渉」を開始することで、日本とEUの間の自由貿易協定(FTA)に向けた道筋をつけた。この先、まだ長い道のりが残っているが、目標は明らかになった。
これを不十分とする者もいるだろう。私は、この決定の政治的意義を過小評価してはならないと言いたい。世界の2大貿易主体が共にFTAを目指して努力する意志を確認し合うということは、大きな前進である。これは象徴的、政治的な意味合いを持つが、それをはるかに超えるものでもある。雇用、成長、共通の未来という意味で、経済、政治面に及ぼす潜在的な影響は極めて大きいのである。
しかし、日本とEUの関係は通商関係だけですませられるものではない。私たちが、政治的側面および分野別の側面の両方を対象とし、均衡の取れた、包括的な仕方でそれらをさらに発展させることを確認したのはそのためである。
双方とも高い水準の野心を持っており、関連する枠組み協定の交渉に並行して取り組むことを約束した。
これは、当然ながら、無からの出発ではない。日本とEUの間には政治面の協力がすでに存在している。しかしながら、これから開発すべき大きな潜在力もある。私たちは、目標地点には、そして、双方が望んでいる地点にはまだ到達していない。しかし、本日の首脳協議で私たちは、既存の協力関係に新しい勢いを与えようとした。
先に述べた通り、日本とEUはすでに、アフガニスタンでの活動を含む、平和と安全保障に関して、そして、北朝鮮における核不拡散に関して協力し合っている。また、危機管理に関しても協力を進めるべきである。
さらに、私たちは、国連の枠組みをはじめとする、緊密な多国間協力を引き続き強化していくべきである。EUの国連活動参加にかかわる国連総会決議の採択により、これは一層容易になるが、同決議の採択を支持してくれたことについて菅総理に感謝の意を伝えた。
3月に日本を襲った三重の災害は、日・EU関係のあり方にも影響を及ぼしている。地震と津波を受け、日・EU協力の対象分野として、災害救助および人道救助にこれまで以上に焦点が当てられるようになっている。
福島における事態を受け、原子力安全もまた、世界中の最重要政治課題に挙げられている。最高水準の原子力安全を達成し、安全性を常に、そして継続して改善していくことは日・EU双方にとっての優先課題である。
私たちの政治協力は、日本とEU加盟国が同種の価値、同種の社会を擁護しているという強い確信に基づいている。私たちは共に、急速に変化する世界に対応しているのである。
だからこそ、(日本に近い)東アジアにおける展開から(我々に近い)アラブ世界の状況に至るまでの世界の戦略的展望における変化について菅総理と話し合うことができたことは、特に光栄であった。私たちは、また、今日のグローバル化した経済においては、誰もが互いの力を頼りにせざるを得ないという認識の下、ユーロ圏における最近の状況と日本の景気回復に関する意見交換を行った。
菅総理、最後に、3月11日とそれに続いた悲劇的な日々について述べさせていただきたい。
欧州理事会は、震災当日に連帯の声明を採択し、バローゾ委員長と私自身も、支援を申し出るべく、できる限り迅速に総理に連絡を取った。
しかし、より重要なことは、日本を襲った三重の災害が、欧州市民全体の世論としての速やかな、そして大規模な連帯の表明につながったということである。この連帯は、日本と欧州諸国の間の戦略的パートナーシップへの強い支持が、政治家同士の間でのみではなく、主として国民の間に存在していることを反映していた。我々が今後発展させていくのは、こうした基盤である。
私は、日本が震災から力強い復興を遂げることを確信している。その結果、日本の国民、そして、民主主義の力が証明されるだろう。
菅総理、最後に俳句を披露させて下さい。
The three disasters (三つの災害があった)
Storms turn into a soft wind. (嵐は柔らかな風になり)
A new, humane wind. (新しい、優しい風になった)
嵐去り後に残るは優しき心(日本語訳: 菅直人総理大臣)
原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cms_data/docs/pressdata/en/ec/122304.pdf
Mr Naoto Kan, Prime Minister of Japan - President Herman VAN ROMPUY. "The Council of the European Union" URL
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