EU News 323/2009
2009/12/04
ブリュッセル
IP/09/1880
<日本語仮抄訳>
欧州連合(EU)理事会は本日、欧州の特許制度の強化に関する結論を全会一致で採択した。合意された包括提案には、EU共通の単一特許を導入し、EUに特許裁判所を新設するために必要な主な要素が盛り込まれている。この2つが実現すれば、企業が革新的な技術を保護するために費やすコストが下がり、訴訟もより分かりやすく予測可能なものになる。本日の合意は、近い将来のEU特許制度大改革実現に向け、残存する問題を解決するための道筋をつけるものである。
<中略>
欧州における特許制度の強化
理事会の合意には、将来的にEUの特許裁判所を設置するための主な要素が盛り込まれている。専門の特許裁判所が設置されることにより、案件の審理は、特許に関する最高レベルの法的および技術的な専門知識を持つ裁判官が行うことになる。また、共通の裁判所の設置により、訴訟当事者は複数国で並行して行われる訴訟に高い費用を払って対応しなくてすむようになる。複数国で訴訟を行った場合、典型的な例で最低50万ユーロの費用がかかるが、共通の裁判所を設けることで、こうした費用の大幅な削減が可能になり、欧州企業は1年あたり最高で2億8,900万ユーロもの節約が可能となる。裁判所は、共通の上訴裁判所の下に置かれる本部と支部からなる。設置当初の段階では、当事者はこれまで通り、各加盟国の裁判所を利用することもできるようにしておくことで、新しい制度への信頼が徐々に高まるようにする。今回の政治的合意を受け、理事会は、この新特許裁判所について欧州司法裁判所の法的見解を仰ぐ。
さらに、理事会は、EU特許規則に関する取り組みについても合意した。これは、欧州委員会が2000年にリスボン戦略の下で提案していたものだが、交渉は2004年に停滞していた。共通の「EU特許」が導入されれば、EU加盟国のうち13カ国のみを対象とした特許の取得に、米国特許の11倍も費用がかかるという現状は改善に向かうと思われる。ただし、こうしたEU特許の導入は、別の規則で定められる、翻訳に関する取り決めについての解決策にかかっている。さらに、更新料や特許局間の協力についても共通の理解が確立された。更新料は、欧州においてイノベーションを促進し、競争を促すレベルに設定される。さらに、「EU特許」が導入されれば、欧州の特許局どうしのパートナーシップが相乗効果を生み、特許の迅速な取得が可能になるとともに、革新的な製品やサービスがより迅速に市場化されるようになる。今後、欧州議会が、EU特許規則について討議する機会を与えられる。
詳細はこちらをご覧ください(英語)。
http://ec.europa.eu/internal_market/indprop/patent/index_en.htm
原文はこちらをご覧ください(英語)。 IP/09/1880