EU News 189/2009
2009/07/07
(仮訳)
• 6月10日、麻生総理が、日本は2020年までに2005年の水準に比べて15%削減するという目標を発表した。これは、1990年との比較では8%の削減を意味する。
• 欧州委員会のディマス環境担当委員は、「待ちに待った最初の一歩」が踏み出されたとして、正式に歓迎の意を表し、日本が「国内においても、また国際的にも、更なる対応を進めること」を奨励した。
• 欧州委員会は、いかなる目標設定にも科学の確証が伴うべきだと考えている。EUは科学に導かれており、実際のところ気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、生態系に深刻な影響が及ぶことを防ぐためには、地球の気温上昇を摂氏2度以下に抑制すべきである、と忠告している。そのためには、先進諸国が排出量を1990年比で25%~40%削減する必要があると、同パネルは指摘している。
• EUは、1990年から2007年までの期間に、排出量を9.3%削減した。これに対し、同期間において、米国では17%、日本では9%排出量が増加している。
• EUに関しては、地球温暖化を抑制するための国際的枠組みの有無に関わらず、単独でも1990年の水準に比して20%削減することを、法的拘束力のある形で公約している。この法的拘束力を有する公約には、EU排出権取引制度に航空業界を包含することにより、国際航空部門からの排出量が含まれているが、土地利用・土地利用変化および林業(LULUCF)からのクレジットの使用は除外している。
• 欧州理事会は、他の先進諸国が同等の排出削減の達成を約束するとともに、経済的先進途上国がそれぞれ自国の責任と能力に見合った貢献を行うことを条件として、コペンハーゲンにおける野心的かつ包括的な世界的合意の枠組みのもとで、欧州連合の削減幅を、30%に拡大するとの公約を確認した。
• 日本の目標が1990年の水準と比較した場合8%の削減であるということは、科学が示す必要な行動という域には達していないように思われる。さらに、京都議定書における日本の法的拘束力のある目標は、すでに1990年の水準から6%減に設定されていた。たとえ過去に達成した削減を勘案せず2005年を基準年としても、EUの1990年の水準から30%削減という目標は、2005年比で24%削減に相当する。
• 日本の目標が国際炭素市場からの排出削減クレジットの使用を含まないことに留意する。EUは、国内排出削減を支弁する能力のみならず、途上国から排出削減クレジットを購入する能力も勘案すべきであると、考える。
• EUは、気候変動に効果的な対応をコストなしでは実行できないことを理解しているが、クリーン産業において先駆者であることの利を含む、野心的な気候政策がもたらす便益のほうが、そのコストよりもはるかに大きいことを、多くの研究が示している。
担当者:
一等書記官 ヘイス・ベレンツ Gijs.BERENDS@ec.europa.eu
調査役 中曽根佐織 Saori.NAKASONE@ec.europe.eu
広報官 ビセンテ・J・ルナ Vicente.LUNA-GANUZA@ec.europa.eu