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欧州研究領域の魅力が高まる一方、EUの研究開発集約度は上がらず: 引き続きの努力が肝要

EU News 26/2009

IP/09/92

ブリュッセル


<日本語仮抄訳>

2008年の科学・技術・競争力(Science, Technology & Competitiveness=ST&C)に関する主要統計の報告書が本日発表され、欧州連合(EU)の研究開発(Research & Development=R&D)への投資および欧州研究領域(European Research Area=ERA)計画の実施に関する2000年から2006年までの進捗状況が初めて明らかになった。同報告書によると、欧州の研究者の集積は進みつつあり、EUは外国の研究者にとって、また米国の民間企業からのR&D投資にとって、魅力を増している。しかし、GDPに占めるR&D費の割合で表したEU加盟27カ国のR&D集約度は1.84%と低止まりであり、国際的に競争力のある知識基盤型社会を目指すEUの野心にとって障害となっている。多数の加盟国がR&D投資を拡大し、こうした国における研究システムの効率が上がったにもかかわらず、GDPの3%をR&Dに投資するというEUのリスボン戦略の目標達成からはほど遠い。米国に比べ、規模の小さいハイテク部門を持つEUの産業構造に起因する産業R&D投資の水準の低さが、EUの目標達成努力を妨げている。この報告書と並行して発表された2008年版の統計分析報告書「イノベーション(技術革新)スコアボード」には、 イノベーションに関するEUの成果の詳細が記されている。これら2つの報告書は、EUの産業構造の変革、イノベーションの加速化、そして、R&Dのより良い活用が必要であることを証明している。

2008年のST&C報告書の主な結論は次の通り。

1. グローバル化した世界にあって、研究は競争力のある資産として極めて重要な役割を担う

科学技術の分野では、特にアジアで主要な担い手が登場している。知識の配分がますます平均化されているが、EUは現在25%を下回っている。ERAは、国際社会に対し、一層魅力的で開かれた、競争力あるものとならねばならない。

2. 全体としてEUのR&D集約度は伸び悩んでいるが、そのため、加盟国間の格差は見えにくくなっている


2000年から2006年にかけて、EU全加盟国のR&D支出が拡大しており、これらの国がリスボン戦略を真剣に実行しようとしていることが分かる。しかし、同期間にはGDPも同じ割合で成長しているため、20051 年以降のR&D集約度は約1.84%にとどまっている。2000年から2006年にかけて、主に他国に追い付こうとしている国を中心とした17の加盟国ではR&D集約度が上がっているものの、EUのGDPの47%を占める10カ国では減少している。一方、日本では3.04%から3.39%、韓国は2.39%から3.23%へとR&D集約度が上昇しており、中国も0.90%から1.42%へと急速に遅れを取り戻している。

3. 民間部門の投資集約度は依然として低すぎる


EUとその競争相手の間に見られるR&D集約度格差の主な原因となっているのが、産業部門におけるR&Dへの資金投入の差である。これは、2000年から2005年にかけてEUでは減少しているのに対し、米国、日本と中国では大幅に拡大している。それは主として、EUでは研究集約型のハイテク産業の規模が小さいことに起因している。知識集約型社会の構築には、各部門内のR&D集約度を高める構造的変化とEU経済におけるハイテク部門の割合の拡大が必要である。そのためには、急成長するハイテク中小企業の発展に有利な枠組み条件を整備すること、EUにおいてイノベーションを促進する市場を開発すること、そしてEU全域に適用される特許がより安価に取得できるようになることが必要である。

4. 研究における卓越性: 研究者の集積は進行、競争相手に比べて知識の活用力は低い

EUでは、2000年以降、研究者の数が米国や日本と比べて倍の速さで増加している。ただし、労働力全体における研究者の割合は依然としてこれら2カ国より低い。研究の影響力という点では、科学的知識を生み出すことにおいてEUは依然として世界最大(出版物の数による)であるが、影響力の高い出版物への寄稿は、米国よりも少ない。

5. 外国の投資家や科学技術分野の専門家にとっての魅力は向上


近年、アジアが新たなR&D投資先として台頭してきているにもかかわらず、米国の民間企業からEUへのR&D投資は増えつつある。2005年には、米国系企業のR&D投資の62.5%がEU向けであった。これ対し、中国向けの投資は3.3%にすぎなかった。また、第三国(非EU加盟国)の科学技術分野の専門家の間でも、EUの人気は上昇している。

詳細情報


2008年のST&C主要統計報告書の全文はこちらをご覧下さい(英語)
http://ec.europa.eu/research/era/

2008年のイノベーションスコアボード報告書はこちらをご覧下さい(英語)
http://www.proinno-europe.eu/metrics

また、MEMO/09/19 + IP/09/112 + MEMO/09/18も合わせてご覧下さい

原文はこちらをご覧下さい(英語) IP/09/92

1 2007年の算定値: 1.83%

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