ローマ条約調印50周年を記念する宣言 (ベルリン宣言)
2007/03/25
EU News 42/2007
何百年もの間、「欧州」とは、平和と理解への希望を与えるひとつの概念であった。この希望は今かなえられた。欧州統合によって平和と繁栄が現実となった。連帯感が生まれ、さまざまな差異が克服された。加盟国がそれぞれ、欧州統合、そして、民主主義と法の支配の強化に貢献してきた。中・東欧諸国の人びとの自由への願いによって、欧州の人為的な分断は過去の遺物となった。欧州統合は、流血の争いに彩られた歴史から我々が辛い教訓を学び取ったことの証である。今日我々は、かつて実現したことのない共存を果たしている。
我々欧州連合(EU)の市民は、さらなる前進を目指して一致団結したのである。
I.
EUは、共通の理念を現実へと変えつつある。我々にとって、個人はあらゆることに優先する。個人の尊厳は冒すことができず、その権利は奪うことができない。男女は同等の権利を有する。我々は、平和と自由、民主主義と法の支配、相互の尊重と責任の分担、繁栄と安全、寛容と参画、公正と連帯を目指す。EUには、独自の共存と協働のあり方が存在し、これは、加盟国とEU機関の間の民主的な相互関係に表れている。EUの基盤は平等な権利と相互支援的な協力の精神にある。これによって、加盟国の利害の間に公平な均衡が維持されている。EUは、それぞれの加盟国のアイデンティティや多様な伝統を堅持している。開かれた国境と多種多様な言語、文化、地域は、我々を豊かにする。単独では成しえず、力を合わせることによってのみ達成できる目標は多く存在する。EUと加盟国、地域および地方自治体の間で役割が分担されている。
II.
我々は今、国境を越える大きな課題に直面している。EUは、これらの課題に対する我々の答えなのである。これからも、全EU市民の利益のために将来的にも欧州型社会の理念を維持していくには、協力するほか方法はない。欧州社会モデルは、経済的な成功と社会的責任を兼ね備えている。共通市場とユーロは、我々に大きな力をもたらした。そのために我々は、深化する世界経済の相互依存や、常に激しさを増す国際市場での競争を、我々の価値と合致するように形成していくことができる。欧州の豊かさの源は、その人々の知識と能力にあり、これが成長と雇用と社会的結束のカギなのである。我々は共にテロ、組織犯罪および不法入国と闘っていく。自由と人権を求め、これを妨害する者とは公然と闘う。人種差別や外国人嫌悪を容認するようなことは二度とあってはならない。我々は、世の中の紛争を平和的に解決し、人々が戦争やテロや暴力の被害者とならないよう全力で取り組んでいる。EUは、世界の自由と発展の促進を目指している。貧困や飢えや病気の克服を目指しており、この闘いにおいては今後も主導的な役割を果たしていくことを望んでいる。エネルギー政策と気候変動対策の分野では、連帯して進むべき道を示し、気候変動という世界的脅威の回避に貢献したいと考えている。
III.
EUは、これからも開放性、そして、域内の発展を一層確かなものにしようとする加盟国の意思という2つの要素をその糧としていくだろう。また、欧州だけではなく他の地域においても、民主主義と安定と繁栄を推進し続けるだろう。欧州統合によって、これまで幾世代もが見続けてきた夢が現実となった。これを将来の世代のために守り続けていかなければならないことは、我々の歴史の教える通りである。そのために、我々は常に欧州の政治的形態を改善し、時勢に遅れないようにしなくてはならない。ローマ条約調印から50年経った今日、我々が一体となって、2009年の欧州議会選挙までにEUに新たな共通基盤を付与するという目標に向けて取り組んでいるのはそのためである。それは、欧州が我々共通の未来であることを、我々が知っているからである。
